JR中央線の武蔵小金井駅から国立駅にかけてのこのエリアは、一橋大学や武蔵野美術大学をはじめとした教育機関が集中する一大文教エリアとして知られています。また「国分寺崖線」周辺には緑のスポットや湧水地が多く、自然豊かな印象を受けます。そんな環境に位置するためか、このエリアには良好な住宅地が広がっています。特に国立駅南口に広がる「国立学園都市」として開発されたエリアは、多摩地区では有数の高級住宅街として知られています。
また音楽や喫茶店文化をはじめ、独特なカルチャーシーンを形成している点も面白いところです。
一橋大学キャンパスを中心に発展した、中央線有数の高級住宅街・国立
一橋大学を中心とした国立駅の南側に広がる住宅エリアは、中央線有数の高級住宅街として知られています。ここは西武グループの前身である「箱根土地」によって開発された、戦前から続く伝統的な計画都市です。高等教育施設と住宅地を一体的に開発することで良好な住環境の形成を目的とした「学園都市」構想は、西武グループの創始者・堤康次郎氏によって発想されました。小平学園や大泉学園と並びその代表例である「国立学園都市」は1920年代より開発が始まり、1926年の国立駅開業と宅地の分譲開始によって加速しました。翌27年には東京商大(現・一橋大学)の誘致に成功し、構想通りの良好な住宅街が形成されました。ドイツの学園都市・ゲッティンゲンをモデルとしたとされるだけあり、その美しさはどこかヨーロッパ風です。
現在では、西欧風の情緒あふれる一橋大学キャンパスを中心に、緑豊かな閑静な住宅街へと成熟を遂げました。高級スーパーの「紀ノ国屋」を始めとして、センスの良いお店が充実しているのも、高級住宅街らしい光景です。
ちなみに「国立」の名前は、「国分寺」と「立川」の間にあるから、という案外単純な由来となっています。
『桜の名所が至る所に点在する、小金井・国立』
小金井市や国立市には、桜の名所として名高いスポットが点在しています。その代表である「小金井公園」は、「日本さくら名所100選」にも選定された東京有数の桜の名所として知られています。都立公園としては最大規模を誇る広々とした園内には、約1,700本もの桜が植えられており、「桜の園」などのお花見スポットが充実しています。ちなみに園内の「江戸東京たてもの園」はジブリ作品の『千と千尋の神隠し』のモチーフにもなっています。また小金井公園の近くを通る五日市街道沿い、「玉川上水」の堤の桜並木も外せないスポットです。国の名勝指定を受けている通称・小金井桜とよばれるこの並木は、元文2(1737)年に植えられたというヤマザクラが中心となっています。シーズンには総延長6kmにわたる桜のトンネルが出現します。
国立駅南口から南に伸びる「国立大学通り」も、このエリアを代表する名所として知られています。駅前広場や沿道には200本に及ぶ桜が植えられており、広々とした通りに桜が咲き乱れる光景はまさに絶景。シーズンに開催される「さくらフェスティバル」では露店やフリーマーケットなどが出店し、国立市民に広く親しまれています。
音楽施設が集まる、音が彩る文化都市としての国立
「音楽の街・国立」として知られる国立市には、音楽に関するスポットが充実しています。それが国立の文化的生活をより豊かなものにしているといえるでしょう。過去には「国立音楽大学」があったため、音楽の街としての印象が強くなりました。現在も附属の中学校・高校が市内にあります。市民の間にも音楽が浸透しているようで、「くにたち市民オーケストラ」など市民による音楽活動が盛んです。また音楽スタジオや音楽教室、中央線沿線を代表する楽器店「国立楽器」など、音楽を習う環境が整えられているのも特徴的です。
身近に音楽を楽しむ環境があるのも国立の魅力です。駅周辺にはジャズ好きな大人が集うジャズバーや、クラシック音楽をゆったりと楽しめる喫茶店、多摩地区で1番大きなライブハウスなどが集まっています。
『中央線カルチャーの奥座敷として、独特の文化を育むエリア』
武蔵野美術大学など「文化系」な学生が多く集まる国分寺や国立には、個性の強い「中央線カルチャー」の影響を受けつつ、独特な文化が形成されています。このエリアには、いわゆる「喫茶店文化」が根付いています。国立の「ロージナ茶房」「邪宗門(残念ながら2008年12月に閉店)」や国分寺の「でんえん」など、昭和30年ごろから続く老舗喫茶が多いのも特徴的です。
武蔵美の玄関口である国分寺駅周辺は、若者が多く集まる学生街であり、まったりできるカフェや個性溢れるバーには美大生風のファッションの若者がよく見かけられます。また70年代にはいわゆるヒッピー文化をリードする場所だったそうですが、現在もその名残をオーガニックにこだわった野菜店やロック喫茶などで感じられます。
また「モノを大事にする」文化があるのか、中古レコードショップやアンティーク・古道具など、中古のものを扱うエコなお店が多いのも特徴といえるでしょう。
国分寺と国立の両地区は、街としての利便性と緑あふれる住環境とのバランス、そしてこの街に根付く独特なカルチャーシーンに惹かれて、「文化系」な職業の人々が多く集まるエリアとなっているようです。
緑と湧き水に恵まれた「国分寺崖線」周辺のグリーンスポット
多摩川の水の流れが作り上げた崖が南北に伸びる「国分寺崖線」。武蔵村山市から田園調布付近まで続くこの連続的な崖は、最大で高低差20mに及び、あまりに急峻だったため未整備のまま時代を経て、現在は緑のスポットとして保全が進んでいます。小金井から国立にかけてのエリアでは、JR中央線と平行するように東西に広がり、豊富な緑を残しています。国分寺崖線と関連する代表的なスポットのひとつが国分寺駅南口に広がる「殿ヶ谷戸庭園」。三菱財閥創業家の別荘として使われたこの庭園は、国分寺崖線上に位置しており、起伏と湧水を組み合わせた伝統的な日本庭園となっています。秋には紅葉の名所として多くの人々が集います。
また、崖線の下には「ハケ」とよばれる湧き水スポットが点在しています。その代表的なものが「お鷹の道・真姿の池湧水群」です。森閑とした緑深い場所に、鏡面のように静かな池の水面は神々しさを感じてしまうほどの美しさです。一帯は「武蔵国分寺公園」や「武蔵国分寺跡」と一体的に整備されているので、散策にも最適です。またお鷹の道周辺には農地が多く残されており、産直の農産品をリーズナブルに提供している無人販売所が多数あります。




